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AIは人間を駆逐する!?

 このブログでは、中小企業経営者(IT企業)が、中小企業経営者に向けて、知った気になれるITネタを発信しています。課題解決の気付きに、ここで発信するネタが少しでもお役に立てれば幸いです。ITをどんどん活用して、我々の手で豊かなニッポンを取り戻しましょう!!

 さて、4回目となる今回は、最近流行のAIにフォーカスしようと思います。

 

AIは何か怖い?

 AIは Artificial Intelligence、人工知能です。AIに関しては、沢山のメディアで話題沸騰中ですので、ここで知ったか説明する必要は無いかも知れませんね。ただ、最近のAIは物凄く性能が良くなったため、AIが人を支配するのではないか・・・、というAI脅威論に不安を感じている方も少なからずおられるようです。NHKスペシャルで過去に、「AIでよみがえる美空ひばり」という番組をやっていて、既に亡くなられているにも関わらず、まるで蘇って目の前で本当に歌っているかのような映像が映し出されました。その映像をAIで造り出しているという事実に、得体の知れない恐怖を感じた方もいるかも知れません。また、フェイクニュースなど、まるで大統領本人が演説しているかのようなニュースをAIに造らせて放映するなど、AIを使えば何でもアリ、みたいな印象を生み出してしまっている世の中を見れば、脅威を感じる事にも納得できます。

 最近話題となっている「チャットGPT」というAIツールは、誰でも気軽に、人間と同じように自然な会話ができます。ただ、普通の人間と異なる点は、その知識量で、かなり専門的な問題に関しても、的確な答えを教えてくれます。更に、みんなが使えば使うほど、その知識も増えていくので、物凄い勢いで進化しています。チャットGPTにお願いすれば、プログラムコードすら書いてくれるので、私のようなプログラマーが不要になる日も近いでしょうね。そんな、人間の存在意義を奪いかねないチャットGPTを快く思っていない方も多いようです。

 

AIをチームメンバーに!!

 このように、AIが我々の存在意義を脅かすのではないかと、不安に感じている方も多いようですが、果たしてそうでしょうか。確かにAIは、これまで人間にしかできなかった事をできるようになりました。しかも、知識量と進化速度が半端ないので、今まで人間にはできなかった事もできるようになるでしょう。しかし、だからといって、我々人間の存在が不要になる事には繋がりません。適材適所、という言葉があるように、その人にしかできない事に、フォーカスすれば良いのだと思います。得意な事は得意な人に任せる。得意な事を持ち寄って、大きな力にする。それこそ、人間が持つ大きな可能性ではないでしょうか。そのチームメンバーの1人として、物凄い知識を持ったAIがいる、と捉えれば、何かどデカい事ができるような気がしてなりません。

 

AIにできないこと=人間がすべきこと

 それでは、人間にできて、AIにできない事とは何か、について深堀していきたいと思います。

 まず、現時点でAIはあくまで「知能」であって、「知性」ではない、という点が重要だと思います。知能と知性の違い、辞書(情報提供元(著作権者) Weblio)を引いてみると、下記のようになっています。

■知能

 物事を理解したり判断したりする力。

■知性

 比較・抽象・概念化・判断・推理などの機能によって、感覚的所与を認識にまでつくりあげる精神的能力。

 あまり違いがハッキリしないかも知れませんが、知性にしかできない事を何点か挙げれば、下記のような事になるかと思います。

  • 相手の事を察してあげる
  • 個人事情を加味して対応する
  • 絵画や音楽など感情に作用する創造的な活動を行う

 つまり知能は、沢山蓄積したデータからある一定のパターンを見出し、それを元に判断を行っていくため、「全体としては、まあ、正しいけど、個人としては間違っている」ような、例外的な判断を伴う思考をし難いと言えます。人は自分の都合で物事を見ていますが、AIは、全体を俯瞰するような感じで物事を見るため、このような差が生まれるのでしょう。また、これは人間と同じですが、間違った教育を受ければ、間違った知能が造り出されます。AIが学習するにあたって、膨大な量のデータを使用する訳ですが、そのデータにゴミが沢山混入していたら、おバカなAIが育ってしまうのです。インターネットを眺めれば、結局はゴミデータが8割以上で、有益なデータを取捨選択する事が死ぬほど大変である事は、皆様も日々実感している所だと思います。

 実の所、AIそのものの仕組みは、そんなに難しいものではありません。簡単なAIエンジンであれば、数十~数百行のプログラムコードで作れてしまいます。ではなぜ、今になって、こんなにもAIの性能が上がったかと言えば、大量データを短時間で処理できるようになったため、学習のさせ方が大幅に深化したからです。つまり、AIの素地を作るのはやはり人間であり、AIに目的を与え導くのは、人間である必要があるのです。それは、知性がなければできない事でしょう。

 絵画や音楽を創造するAIも存在しますが、時に創造を絶するような、おぞましい結果を生み出します。まあ、それはそれで、シュールレアリスム的な感じがして良いとは思うのですが、ただ今の所は、人間の画家や作曲家を超える名作を生み出してはいないため、未だAIは、優秀な芸術家とは言えていないと思います。

 たとえAIが凄くても、その成果の受け手が我々、感情動物である人間である以上、完全な代替にはなり得ないでしょうね。

 

AIと共存する先の未来

 AIは、「物事を理解して判断する」という人間の機能を肩代わりできるようになりました。なので我々は、その機能をAIに任せ、今よりもっと、人の心を豊かにする事にフォーカスした仕事に専念できるようになると思います。衣食住の問題はAIとIoTに任せる事で、より高次の精神世界に、我々の想いを開放できる時代が、すぐそこにやってきていると言えないでしょうか。(なんか、宗教的・・・・)

 そんなビジネスを今からイメージして準備していけば、凄い教祖、いや、経営者になれるかも知れませんね。

 次回は、大幅に毛色が変わりますが、「失敗するシステム導入」にフォーカスを当てて行こうと思います。DX化などのキーワードを交えて、なぜ、自社へのシステム導入が失敗するのか、私の沢山の失敗経験を交えてお話していこうと思います。大きなテーマなので、数回に分けてのご紹介になるかと思います。

 

ここで、結論。

 AIとは、

  人々の精神性を高めてくれる(かも知れない)技術。

 

 如何でしたでしょうか。

 AIが生み出す未来の社会について、少しでも分かった気になって頂けたでしょうか。

 

 これからも、このような形でITネタを発信していきますので、ご愛顧のほど、よろしくお願い致します。