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量子コンピューターって何?

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 さて、10回目となる今回は、新聞などで話題の「量子コンピュータにフォーカスしようと思います。

殆どオカルトな量子力学の世界へようこそ

量子力学

 量子コンピューターという位なので、それを理解するために『量子』を理解する道は避けて通れません。ただ、『量子』とかいう学術用語が出てくると、一気にヤル気がなくなってしまう方も少なくないでしょう。

 

 でも安心して下さい。私もですよ。

 

 そこで、『量子』の正しい解説については立派な学者先生にお任せするとして、ここでは、素人の私がそれなりに解釈した量子というものを紹介していこうと思います。

 

 『量子』とは何か?

 

 それを一言で言うと、

 

 『量子は、とっても、とっても・・・とーーーーーっても、小さい粒』です。

 

 小さい粒といえば、中学校で学んだ『原子』を思い浮かべますよね。先生から教えてもらった時には、

 

 『原子は、それ以上に分解できない、物質の最小単位である』 

 

 と教えられた記憶があるのですが、どうやらその原子も、原子核と電子から構成されていて、原子核は更に陽子と中性子から構成され・・・って、「原子は最小じゃないんかい!!」と高校の頃に思った(遅すぎる?)事を覚えています。

 

 で、どうやらその原子を形作っている『陽子』や『中性子』、そして『電子』の事を『量子』と呼ぶ事がわかりました。他にも、光の粒である『光子』や、ニュートリノ(辛うじて聞いたことがある)やクォーク、ミュオン(ここまでくると初見)などの『素粒子』も、『量子』の仲間になるそうです。

 

 まあ、素人感覚で定義するとすれば、

 

 『物質の最小単位である原子よりも小さな粒、それが量子』

 

 と言えるのではないでしょうか。

 

 それで、その小さな粒の量子なのですが、物質の最小単位より小さいためか、これまでの物理学の常識が通用しない動きをするそうなんです。

 

 「常識が通用しない動きって、どういうこと?」

 

 となりますよね。

 誤解を恐れず、敢えて素人目線でシンプルに例え話をしてみます。

 

 私は右手にボールを乗せています。仮にこのボールを量子だと思って下さい。

 私は今、ここにあるボールを見ている(観測している)ので、確かにそこに、ボールは存在しています・・・って、当たり前ですよね?

 次に、このボールを誰も見えない(観測できない)押し入れに隠しました。この場合、そこにボールは存在するでしょうか?

 

 「そんなの、存在するにきまってるじゃん!!」

 

 となりそうですが、どうやら、量子の場合はその理屈が通用しないらしい。

 量子は、観測しているか、していないかによって、その挙動が変わるという不思議な性質を持っているそうなのです。ですので、観測していない場合は、『あるかもしれないし、ないかも知れない』という2つの状態が重なり合った曖昧な状態になる、という訳です。

 

 更に、1つの量子を2つに分解した場合。

 

 一方の量子が地球上に、もう一方の量子が宇宙の果てにあったとして、片方の量子が観測された瞬間、もう片方の量子も観測された時の挙動を示すそうです。つまり、分解した量子の関係性には、距離の概念が存在しない、という事なのでしょうね。

 この原理で『量子テレポーテーション』なんていう怪しい技術の研究も進められているそうです。

 

 こうした、摩訶不思議な量子の挙動を研究する学問が『量子力学』という訳です。

 

 どうでしょうか?

 

 もう、素人の私にとってはオカルト過ぎて、もしや『これを解明すれば幽霊とか説明できるんじゃない!?』という位、物凄いレベルの学問ですよね。

 しかも、オカルトな大学ではなく、普通に立派な一般の大学で真剣に、学者さんたちが研究に励んでいるのですから、不思議な感じがします。

 

 未だ、オカルト感が拭えない量子ですが、その不可思議な動きを視覚的に証明する有名な実験が行われました。専門的になると思いますが、ご興味のある方はぜひ、

 

 『2重スリット実験』

 

 を google 先生に聞いてみて下さい。私は、ゾクゾクしました・・・。『観測』っていう主観が入ると性質が変わるって・・・、幽霊が見える、見えない、みたいな話に似てると思いませんか?

 

オカルトコンピューターの誕生

 量子の不思議ちゃん具合は何となく分かって頂けたと思います。そして今回のテーマである『量子コンピューター』は、この摩訶不思議な量子を使ったコンピュータなのですが、私の中ではまだ、オカルトコンピューターといった未知の領域です。

 

 しかし 2023年3月24日に、国産量子コンピュータ初号機による「量子計算クラウドサービス」なるものが開始されています。

www.riken.jp

 確実に、実用段階に入ってきていると言っても過言ではないでしょう。

 ※量子コンピュータの筐体写真を見ると、人類破滅後の世界で描かれているヤツに何となく似てるのが気になる・・・。
 

 この量子コンピューターですが、現在使われているコンピューターと何が違うのか気になりますよね?

 

 平たく言うと、

 

 現在のコンピューターは『複数の計算を1つずつ処理』するのに対し、

 

 量子コンピューターは、量子の不思議な性質を利用して『複数の計算を全部一気に処理』する違いがあります。

 

 結果、現在のコンピューターよりも、気が遠くなるほど圧倒的に早く、計算を行えるようになります。

 

 圧倒的に早く計算を行えるようになると、どのように世の中が変化していくかについては、ITについて考えると見えてくるでしょう。下記の記事をチェックしていない方は是非、チェックしてみてください。 

shintaroh-seki.hateblo.jp

 

 量子コンピューターはまだ産声をあげたばかり。本格的な活用はまだまだこれからでしょう。

 しかし、我々の前に今、インターネットが出て来た時のように、社会の常識を変革するであろう要素がまた一つ、姿を現している訳です。

 

 ICT,IoT,AI,DX、そして量子コンピュータ

 中小企業経営者である我々が10年後、力強い日本社会を取り戻すチャンスが沢山溢れている訳です。

 是非、これら新しい要素を活用して、如何に洗練された未来をデザインして実現していくか、皆で考え、実践していこうではありませんか!!

 

 次回は、何かと恐れられがちな『ハッキング』にフォーカスを当てて行こうと思います。幽霊が怖い原理と同じで、敵を知ってしまえば、そんなにおびえる事は無い事を実感して頂こうと思います。

 

ここで、結論。

 量子コンピューターとは、

  量子の不思議ちゃんパワーを活用して、

   想像を絶する計算処理速度を実現する新世代のコンピューター。

 

 如何でしたでしょうか。

 オカルトな量子コンピューターについて、少しでも分かった気になって頂けたでしょうか。

 

 これから、このような形でITネタを発信していきますので、ご愛顧のほど、よろしくお願い致します。