IT知ったかになれるブログ

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なぜシステム導入に失敗するのか? その1

 このブログでは、中小企業経営者(IT企業)が、中小企業経営者に向けて、知った気になれるITネタを発信しています。課題解決の気付きに、ここで発信するネタが少しでもお役に立てれば幸いです。ITをどんどん活用して、我々の手で豊かなニッポンを取り戻しましょう!!

 

 さて、5回目となる今回は、「なぜシステム導入に失敗するのか」にフォーカスしようと思います。ただ、非常に広範囲なテーマになるため、何回かに分割して書いていきたいと思います。

 

失敗するシステム導入

失敗するシステム導入

 「これじゃないんだよなぁ・・・。」

 「え、請求書を2つに分けるにはどうすればいいの?」

 「〇〇さんの所は専用伝票なのに、使えないじゃん!!」

 

 新システムを導入してからこの一ヵ月、現場からは悲鳴にも似た声が上がり続けている。ついには、

 

 「こんなの使えねぇよ!!」

 

 こんな言葉まで飛び出す始末に・・・。 

 仕方なく、業務が回るように、最低限必要な機能の変更をシステム会社に依頼すると、

 

 「これは仕様なので、料金を頂かなければ変更はできません。」

 

 と、冷たくあしらわれる・・・。

 

 最初に聞いた要望は漏れなく反映されているのに・・・。

 請求書発行画面のイメージを見せた時はOKだと言っていたのに・・・。

 専用伝票が必要なんて一言も言っていなかったのに・・・。

 

 この私が言うのも何ですが、使い手が笑顔になるような、素晴らしいシステムの開発に立ち会った事がありません。数十年間、大手ベンダーの人間として、フリーランスとして、零細企業経営者として、大小さまざまな開発案件に携わってきましたが、使い手が納得する場面を見たことがないのです。

 

 「エンドユーザー(使い手)が完全に納得するシステムなんか作れる訳ないよ。

  相手が慣れるまで、不満を上手にコントロールするのがお前の仕事なんだよ。」

 

 その昔、こんな事を言われた事があります。

 

 「確かに、使い慣れないから不満なのであって、慣れてしまえば落ち着くよね。」

 

 使い手が笑顔になるようなシステムを作ることは、そもそも不可能なんだと、妙に納得してしまい、それ以来、相手が様々な不満を持ちかけてきても、

 

  • 合意を頂いている設計書には、その通り書いてありますから、これは仕様です。変更できません。
  • 確かにその方が便利になるかと思いますが、実装が進んでいますので、今から取り込むのは無理ですねぇ。予算と期間を増やして頂ければ、検討できなくもないですが・・・。

 と、まあ、これを読んで下さっている方々がいつも、「何だ、コイツは!!」と思っているシステム屋の例にもれず、同じような対応を続けていました。

 

 数年前までは、数十人以上の開発者が携わる、中規模以上の開発案件に歯車として携わる事が多かったため、使い手と開発者の間に立ち、不満が発生しても、やんわりとコントロールする事に、何の違和感も感じていませんでした。

 

 しかし、地元のお客さまに対し、コンサルからシステムの開発・導入、その後の運用保守まで主体的に携わるようになってくると、使い手の顔が近い事もあり、お客さまが苦虫を潰したようなお顔をされながら、弊社で開発したシステムをお使いになられている姿を見ていると、胸が押しつぶされるような気持ちになる事が増えました。

 

 『どうにかして、使い手が笑顔になれるシステム導入をできないだろうか・・・』

 

 こうして私は、お客さまにとっては当然の、だが、システム屋にとっては永遠のテーマに取り組む決意をしたのです。

 

なぜ、イメージと違うものが出来上がってしまうのか?

なぜ、イメージと違うものが出来上がってしまうのか?

 システムを導入する場合、概ね下記の手順に沿って開発が進みます。

  1. 使い手(経営層等も含めた)のシステムに対する要求を明確化する
  2. 要求を実現する機能の見た目(画面や文言等)を設計する
  3. 見た目や使い勝手の部分について、使い手との合意を得る
  4. 見た目や使い勝手を実現する内部機能を設計する
  5. 設計に基づいてテストコードとプログラムコードを書く
  6. 技術者の手で、プログラムが設計通りに正しく動くかテストする
  7. 使い手の手で、プログラムが要求通りに正しく動くかテストする

 一部、古典的な手順じゃないかと指摘されてしまいそうですが、上記のサイクルを回す期間や回数、規模の違いはあれど、基本的なアプローチに変わりは無いと思います。

 さて、問題の多くは下記のタイミングで発生します。

 

 7.使い手の手で、プログラムが要求通りに正しく動くかテストする

 

 仕上がったシステムを実際に触ってみて初めて、使い手が、自分がイメージしていたものと違う事を認識し、要望やクレームへと発展する訳です。

 

 しかし、このようなギャップが発生しないように、敢えて下記の手順を取り入れています。

 

 1.使い手(経営層等も含めた)のシステムに対する要求を明確化する

 3.見た目や使い勝手の部分について、使い手との合意を得る

 

 逐次、システムの仕上がりイメージを共有する手順を経ているのです。

 ですので、テストのタイミングで発生する様々な問題は、単なるワガママじゃないか、と考える技術者も少なくありません。

 

 「合意を得て要望通り作ったのに、今更なんでこんな事を言い出すんだ!!」と。

 

 通常、調整役の技術者が、使い手と作り手の双方に文句を言われながらも色々と調整するのですが、自分が調整役と作り手の立場を兼務するようになると、ある事に気が付きました。

 

 『これはワガママで言っている訳ではない。本当に困っている・・・』と。

 

 機能や動きについて、紙芝居等を使ってレビューした時には、ニコやかに、かつ、新しいシステムに期待の言葉さえかけてくれていた方が、今、目の前で、困惑した表情を向けているのです。

 この方がイメージしていた新システムと、今、目の前で使おうとしている新システムとの間に大きなギャップがある事は明確でした。しかし私には、何がそんなに違うのか理解できない。

 

 『なぜ、事前に内容を見てもらっているにも関わらず、こうなるのだろう・・・』

 

 私は、不思議に思い、その方に質問をしてみました。

 

 私:「何にお困りですか?」

 

 A:「請求書を出すとき、このお客さまは日付を和暦にしないといけないんです。

    でも、西暦でしか出ないので・・・」

 

 私:「ご要望をお伺いした時、請求書のサンプルをお見せしたと思いますが、

    その時には、気になりませんでしたか?」

 

 A:「お客さま毎に、請求書の形式を変えなければならないのは当たり前だと

    思っていたので、特に思いませんでした。

    それと、単価の小数点を1桁までのお客さまと2桁のお客さまも・・・」

 

 なるほど、そういう事か・・・、と思った瞬間でした。

 

原因1:人は、当たり前の事を語らない

 新システムに対する要求をヒアリングする際に、現在発行している請求書のサンプルを提供してもらったものの、その時は、日付が和暦になっているものを確認できませんでした。

 使い手も、『出し先に応じて、請求書のフォーマットを自由に変更できる』という要求は当たり前だと思い込んでいたため、この要求が設計に盛り込まれる事が無かったわけです。

 

 確かに、人は当たり前と思っている事を確認する事はありません。

 『新システムでは文字入力できるようにしてください』と、聞くまでもない当たり前の内容を敢えて、要望としてあげる事はないでしょう。

 

 この当たり前が、使い手と作り手とで共通の認識であれば問題ないのですが、ここに少しでもギャップがあると、大きな問題が発生する事が良くわかりました。

 

 業界では常識で通っている事が、別業界に行くと『何、それ!?』になる場合が多いのと同じように、自分の会社での常識が、IT屋には通じない場合が多々あります。

 是非ともこの点を意識して、貴社を担当するIT屋さんとお付き合いしてみてください。イラッとする事が減ると思いますよ。 

 次回も引き続き、「失敗するシステム導入」にフォーカスしていきたいと思います。

 

ここで、結論。

 IT屋に要望を伝える際は、

  敢えて、当たり前の事柄も伝えてみること。

 

 如何でしたでしょうか。

 システム開発が失敗する要因について、少しでも分かった気になって頂けたでしょうか。

 

 これからも、このような形でITネタを発信していきますので、ご愛顧のほど、よろしくお願い致します。 

 

AIは人間を駆逐する!?

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 さて、4回目となる今回は、最近流行のAIにフォーカスしようと思います。

 

AIは何か怖い?

 AIは Artificial Intelligence、人工知能です。AIに関しては、沢山のメディアで話題沸騰中ですので、ここで知ったか説明する必要は無いかも知れませんね。ただ、最近のAIは物凄く性能が良くなったため、AIが人を支配するのではないか・・・、というAI脅威論に不安を感じている方も少なからずおられるようです。NHKスペシャルで過去に、「AIでよみがえる美空ひばり」という番組をやっていて、既に亡くなられているにも関わらず、まるで蘇って目の前で本当に歌っているかのような映像が映し出されました。その映像をAIで造り出しているという事実に、得体の知れない恐怖を感じた方もいるかも知れません。また、フェイクニュースなど、まるで大統領本人が演説しているかのようなニュースをAIに造らせて放映するなど、AIを使えば何でもアリ、みたいな印象を生み出してしまっている世の中を見れば、脅威を感じる事にも納得できます。

 最近話題となっている「チャットGPT」というAIツールは、誰でも気軽に、人間と同じように自然な会話ができます。ただ、普通の人間と異なる点は、その知識量で、かなり専門的な問題に関しても、的確な答えを教えてくれます。更に、みんなが使えば使うほど、その知識も増えていくので、物凄い勢いで進化しています。チャットGPTにお願いすれば、プログラムコードすら書いてくれるので、私のようなプログラマーが不要になる日も近いでしょうね。そんな、人間の存在意義を奪いかねないチャットGPTを快く思っていない方も多いようです。

 

AIをチームメンバーに!!

 このように、AIが我々の存在意義を脅かすのではないかと、不安に感じている方も多いようですが、果たしてそうでしょうか。確かにAIは、これまで人間にしかできなかった事をできるようになりました。しかも、知識量と進化速度が半端ないので、今まで人間にはできなかった事もできるようになるでしょう。しかし、だからといって、我々人間の存在が不要になる事には繋がりません。適材適所、という言葉があるように、その人にしかできない事に、フォーカスすれば良いのだと思います。得意な事は得意な人に任せる。得意な事を持ち寄って、大きな力にする。それこそ、人間が持つ大きな可能性ではないでしょうか。そのチームメンバーの1人として、物凄い知識を持ったAIがいる、と捉えれば、何かどデカい事ができるような気がしてなりません。

 

AIにできないこと=人間がすべきこと

 それでは、人間にできて、AIにできない事とは何か、について深堀していきたいと思います。

 まず、現時点でAIはあくまで「知能」であって、「知性」ではない、という点が重要だと思います。知能と知性の違い、辞書(情報提供元(著作権者) Weblio)を引いてみると、下記のようになっています。

■知能

 物事を理解したり判断したりする力。

■知性

 比較・抽象・概念化・判断・推理などの機能によって、感覚的所与を認識にまでつくりあげる精神的能力。

 あまり違いがハッキリしないかも知れませんが、知性にしかできない事を何点か挙げれば、下記のような事になるかと思います。

  • 相手の事を察してあげる
  • 個人事情を加味して対応する
  • 絵画や音楽など感情に作用する創造的な活動を行う

 つまり知能は、沢山蓄積したデータからある一定のパターンを見出し、それを元に判断を行っていくため、「全体としては、まあ、正しいけど、個人としては間違っている」ような、例外的な判断を伴う思考をし難いと言えます。人は自分の都合で物事を見ていますが、AIは、全体を俯瞰するような感じで物事を見るため、このような差が生まれるのでしょう。また、これは人間と同じですが、間違った教育を受ければ、間違った知能が造り出されます。AIが学習するにあたって、膨大な量のデータを使用する訳ですが、そのデータにゴミが沢山混入していたら、おバカなAIが育ってしまうのです。インターネットを眺めれば、結局はゴミデータが8割以上で、有益なデータを取捨選択する事が死ぬほど大変である事は、皆様も日々実感している所だと思います。

 実の所、AIそのものの仕組みは、そんなに難しいものではありません。簡単なAIエンジンであれば、数十~数百行のプログラムコードで作れてしまいます。ではなぜ、今になって、こんなにもAIの性能が上がったかと言えば、大量データを短時間で処理できるようになったため、学習のさせ方が大幅に深化したからです。つまり、AIの素地を作るのはやはり人間であり、AIに目的を与え導くのは、人間である必要があるのです。それは、知性がなければできない事でしょう。

 絵画や音楽を創造するAIも存在しますが、時に創造を絶するような、おぞましい結果を生み出します。まあ、それはそれで、シュールレアリスム的な感じがして良いとは思うのですが、ただ今の所は、人間の画家や作曲家を超える名作を生み出してはいないため、未だAIは、優秀な芸術家とは言えていないと思います。

 たとえAIが凄くても、その成果の受け手が我々、感情動物である人間である以上、完全な代替にはなり得ないでしょうね。

 

AIと共存する先の未来

 AIは、「物事を理解して判断する」という人間の機能を肩代わりできるようになりました。なので我々は、その機能をAIに任せ、今よりもっと、人の心を豊かにする事にフォーカスした仕事に専念できるようになると思います。衣食住の問題はAIとIoTに任せる事で、より高次の精神世界に、我々の想いを開放できる時代が、すぐそこにやってきていると言えないでしょうか。(なんか、宗教的・・・・)

 そんなビジネスを今からイメージして準備していけば、凄い教祖、いや、経営者になれるかも知れませんね。

 次回は、大幅に毛色が変わりますが、「失敗するシステム導入」にフォーカスを当てて行こうと思います。DX化などのキーワードを交えて、なぜ、自社へのシステム導入が失敗するのか、私の沢山の失敗経験を交えてお話していこうと思います。大きなテーマなので、数回に分けてのご紹介になるかと思います。

 

ここで、結論。

 AIとは、

  人々の精神性を高めてくれる(かも知れない)技術。

 

 如何でしたでしょうか。

 AIが生み出す未来の社会について、少しでも分かった気になって頂けたでしょうか。

 

 これからも、このような形でITネタを発信していきますので、ご愛顧のほど、よろしくお願い致します。 

 

IoTが失業者を量産するかも!?

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 さて、3回目となる今回は、IoTという言葉にフォーカスしようと思います。

 

モノのインターネット?

 IoTは Internet of Things、モノのインターネットと呼ばれます。ITやICTに比べて未だ馴染みが薄い上、訳が「モノのインターネット?」だけに、きっとモヤッとしている方も多いのではないでしょうか。こんなモヤモヤするIoTですが、平たく言えば、家電や車や工場のロボットやらセンサーなどなど、世の中にあふれているあらゆる「モノ」をインターネットに接続しましょう!!という概念だと思ってください。

 それじゃあ、モノをインターネットに繋いで何するの?

 という話になりますよね。結論を言えば、モノをインターネットに繋ぐことによって、人が遠隔でモノを操作できるようになり、果ては、AIが遠隔でモノを自由に操作できることになります。我々、人間の脳が神経ネットワークを介して四肢を制御するように、AIがインターネットを介してモノを制御できるようになるわけです。そして、インターネットは距離という概念の存在しない空間です。ですから、インターネットを介してモノを操作できるという事は、情報伝達のみならず、物理作用からも、距離の概念を無くす、という事になります。つまり、IoTを発展させれば、これまではバーチャル(仮想)と言われていたインターネットの世界が、モノを通じて物理作用できるようになる、という事です。ついに、インターネットという意識集合体が、体を持ち始めたとでも言えるでしょう。

 

IoTは人間社会を変革する

 このように、IoTとAIの技術が浸透すれば、今まで当然に存在していた、工場の仕事や物流の仕事、農業の仕事など、様々な仕事がAI&IoTに奪われて行く事を想像できるのではないでしょうか。大阪工場のロボットが故障して生産計画に支障を来す事を検知したAIが、東京工場のロボットに生産指示を出しつつ、大阪工場の別のロボットに破損したロボットの修理指示を行う、みたいな事を現実として行える状態にある訳です。未だインターネットが浸透していなかった時代から、たった二十年でこうなっている事を考えれば、先述したような世の中の到来も、すぐそこにあると思って良いのではないでしょうか。

 もしかしたら、労働の対価としてお金を貰い、それで経済活動を行うというモデルそのものが崩壊するかも知れません。そもそも、対価を得るための労働が無くなってしまえば、成り立たないモデルだからです。そうなったとき、我々人間社会はどうなるのか・・・。今のうちから真剣に考え、確かなビジョンを描いておく必要があると思います。国会でもっと、こういった未来のテーマについて真剣に議論して頂けるのであれば、喜んで国会中継を見ちゃうのですけどね・・・。インターネットへ生活基盤が移れば、その分、物理的境界の意味が薄くなっていくと考えます。そうなった場合、国という概念はどうなるのか・・・、明るいのか暗いのかは置いておいても、IoTは確実に、サイバーパンク的なイカした未来を現実のものとするでしょう。

 

IoTの利活用は無限に広がる

 ちょっと話が飛躍してしまいましたが、IoTの可能性について十分に感じて頂けたのではないでしょうか。

 さて、視点を今に戻してIoTの使いどころを考えてみましょう。まず、IoTを利用する事で、大量のデータを収集できるというメリットがあります。例えば、温度センサーや、湿度センサーなど、様々なセンサーを工場内に設置し、逐次、そのデータを蓄積し続けていれば、やがて、大量のデータが集まります。そのデータをAIに傾向分析させることで、不良品が発生し易い環境条件を導きだせます。つまり、今まで人間の勘や感覚に頼っていた部分(暗黙知)をデータ化し、誰でも利用できる形式知化する事が可能となるのです。

 また、先ほど例に出した遠隔操作も目玉と言えるでしょう。ロボットを遠隔操作できれば、人が立ち入れない危険な場所や海底などに、活動領域を増やす事ができます。福島原発事故の際には、ロボットの遠隔操作は難しかったようですが、今現在ではどうなっているのか気になる所です。更に、信号機と車を連動するようにして、赤の場合は強制的に車を停止させるようなシステムの開発が進められているとも聞きます。

 このように、IoTの利活用は発想次第で無限に広がると言っても過言ではないでしょう。今ここで、IoTを活かしたビジネスモデルを考え、コツコツと行動を積み重ねていけば、明るい未来が待っている、かもしれませんね。

 次回は、「AI」にフォーカスを当てて行こうと思います。

 

ここで、結論。

 IoTとは、

  インターネットにあらゆるモノを繋ぐことによって、

   バーチャル(仮想)とリアル(現実)の境界を無くす技術。

 

 如何でしたでしょうか。

 IoTが生み出す未来の社会について、少しでも分かった気になって頂けたでしょうか。

 

 これからも、このような形でITネタを発信していきますので、ご愛顧のほど、よろしくお願い致します。 

  

 

 

 

 

 

 

Internet of Things

ICT? ITじゃダメなんですか!?

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 さて、2回目となる今回は、ITの代わりに使われるようになってきたICTという言葉にフォーカスしようと思います。ITについて、未だモヤッとしている方は、下記の記事をご覧になり、是非とも、知った気になってください。

shintaroh-seki.hateblo.jp

 

我々のネットライフはICTが支えている

 ICTは Information and Communication Technology、即ち、情報通信技術です。最近、ITの代わりに用いられる事が多くなりましたので、そのうち、IT社長(なんと華やかな響きでしょう。私もあっちの世界に行ってみたい・・・)は、ICT社長と呼ばれる日が来るかもしれません。

 IT技術は、大量データを高速処理して、様々な情報を引き出す事が主な目的でしたが、コンピューターネットワークが発展し、世界中のコンピューターが互いに通信できるようになると、高速かつ安全に情報を伝達する、という部分が重要となってきました。インターネットが当たり前になった現在、「高速かつ安全に情報を伝達する」というICTのCが、我々の生活に欠かせない要素となっている事は容易に実感して頂けると思います。

 今では、インターネットを介して動画を見たり、数々の写真付き記事を見たり、買い物をすることは当たり前になっていますが、以前はどうだったでしょうか。

 二十数年前・・・。当時は、インターネットに接続するために電話を使用していました。若者には意味不明だと思いますが、ヨドバシにはズラリと、アナログモデム(電話線を使ってデータ通信するための機械)と呼ばれる機器が並んでいたものです。このモデムの通信速度は、当時、比較的高速と言われていたものでも 28.8K という単位。これを今では当たり前のギガに置き換えると、0.0000288ギガになるので、そのショボさが分かると思います。このように、当時の環境では通信速度が非常に遅く、1枚の写真を表示するのに数分待つようなケースもザラにありました。仮に、その環境で現在の Amazon のサイトを開こうとすると、全て表示するのに半日以上かかっていたかも知れません。

 今のように、インターネットが生活の基盤として無くてはならないものになるなど、想像もできなかったと思います。つまり、ICTのC、通信技術の進歩が、今ある我々のネットライフを支えている訳です。 

 

やっぱり彼は凄かった

 さて、通信技術の進歩が我々の生活基盤を支えている事を実感できた所で、経営的な視点に立ってみます。

 もし自分が、二十数年前に、世の中が今のようなネット社会になる事を予見できていたら・・・、今の自分の生活はどのようになっていたでしょうか。恐らく、それはもう、もの凄い商売ができていたに違いありませんよね。きっと、フォーブス・セレブリティ100にも載っていた筈です!

 当時、パソコンオタクの最前線に居た私ですが、残念ながら、こういった発想はありませんでした・・・。ですが、これを予言していた人物がいます。その人こそ、誰もが知っているマイクロソフトの創業者、ビル・ゲイツ氏、その人です。

 

 1995年12月に、西和彦さん(この方も超凄い)の訳で、「ビル・ゲイツ 未来を語る」という本が出版されています。私がこの本に出合ったのは、古本屋に並んでいるのを見かけたときなので、相当後になるのですが、書かれている内容をみて驚愕した事を今でもはっきりと覚えています。まさに今、現実となっているこの状況を言い当てているのです。いや、言い当てるという、預言者のような表現は大変失礼になってしまうかもしれません。むしろ、こうなるハズだ、こうするのは自分だ、という強い信念のようなものを感じました。

 デキる経営者は、こうした物事の見方、考え方をしているのか・・・。

 ご興味があるかたは是非、ご一読ください。経営者として必要な視座を沢山手にできると思います。

 

すぐそこにあるICTバブルを制せよ!!

 その本を通じて私が感じた視座、というか、ものの考え方を共有させてください。それは、ネットは「距離の概念を無くす」という考え方です。実際の本で、どのような表現で語られていたのか、残念ながら詳細は忘れてしまったのですが、概念的にはそのような事が語られていたと思います。

 何を当たり前の事を・・・。

 そんな風に言われてしまうかも知れませんが、当時の私はこの考え方に、物凄く衝撃を受けました。

 それまで私は、インターネットの利点と言えば、買い物ができる、世界中の人と繋がれる、調べ物が簡単になる、などなど、そういった「目先の物事」にしか目を向けていなかった。しかし、顔も知らない遠く離れた人と一瞬で情報交換できるインターネットの本質、それはまさに、物理世界に常識として長年鎮座していた「距離の概念」を「無くす」事だと気づき、私は、「本質を見る」とはこういう事なのだと、雷に打たれたような(打たれた事はないですが)気分になりました。

 

 そして現在、インターネットを軸に、これまでの常識の数々を取り壊していくであろうテクノロジーが誕生し続けています。AI、そしてIoT。このテクノロジーが更に加速すれば、何れ、ロボットが人を介さず勝手にモノを作り、ドローン等が人を介さず勝手に流通させる世の中がやってきます。また、匂いを生成したり、ロボットが触ったモノの感触をネットを通じて人に感触として伝える技術も発展してきているため、VRゴーグルを付ければ、その場に行く必要すらなくなる時代もやってくるでしょう。もっと言えば、脳を直接ネットワークに繋いでしまえば、体すら要らない時代がやってくるかもしれません。まさに、攻殻機動隊マトリックスの世界です。そうした世界を見据えたビジネスを今から準備しておくことが、我々、経営者には必要な事なのだと思います。

 次回は、「IoT」にフォーカスを当てて行こうと思います。

 

ここで、結論。

 ICTとは、

  我々の想像を超えた新しい未来の基盤となる技術である

 

 如何でしたでしょうか。

 ICTとそれが生み出す未来の社会について、少しでも分かった気になって頂けたでしょうか。

 

 これからも、このような形でITネタを発信していきますので、ご愛顧のほど、よろしくお願い致します。 

 

「ITって結局何?」に対する答え

 このブログでは、中小企業経営者(IT企業)が、中小企業経営者に向けて、知った気になれるITネタを発信しています。課題解決の気付きに、ここで発信するネタが少しでもお役に立てれば幸いです。ITをどんどん活用して、我々の手で豊かなニッポンを取り戻しましょう!!

 

 さて、初回となる今回は、「ITって結局何?」という、モヤっとした疑問にフォーカスしようと思います。

 

ITを知るには情報を知れ

 ITは Information Technology、即ち、情報技術です。コンピュータやネットワークを使った技術の総称であるとも言われますが、あまりにも漠然としていて、今一つ、パッとしませんよね。そもそも、「情報」という概念自体が漠然としているため、余計にモヤっとしてしまうのではないでしょうか。

 

 そもそも情報とは何でしょう。経営する上で情報は不可欠だと、殆どの方が仰るかと思いますが、すみません。経営を始めた頃の私は、何とも思っておりませんでした。というより、情報という概念を漠然としか認識できていなかったため、自分の生活や経営にとって、どのように重要であるかをイメージできなかった、という方が正しいかも知れません。何れにしろ、情報の何が重要であるのか、具体的に考えられなかった訳です。ですので、こんな記事を書き、バリバリのプログラマーシステムエンジニアプログラマーであるべきという固い信念を持っています)であった私ですら、「ITって結局何?」という質問を受けると、スッと腑に落ちる回答をできずにいたのです。しかし、「情報」という概念をハッキリさせ、「情報」を経営でどのように活かすのかをイメージできるようになれば、ITについて自分なりに、かなり明確なイメージを持てるようになることに気が付きました。そこで一度、そもそも「情報」とは何なのか、というテーマについて思いを巡らせてみる事にします。

 

情報はデータからやってくる

 「情報」に関して辞書を引いてみると、「情報とは、ある物事の内容や事情についての知らせである」というような事が書いてあります。これもこれで、モヤっとした内容なのですが、私は、ここにある「知らせ」という言葉が、大切なキーワードだと思っています。つまり、自分が何かを見たり、聞いたり、感じたり、味わったりして得た内容から、何か別の事を知るためのもの、それが「情報」という訳です。これを読んでいる皆様であれば、「風が吹けば桶屋が儲かる」話は、よくご存じではないでしょうか。

  1. 風が吹くと土埃が舞う
  2. 土埃が目に入って失明する人が増える
  3. 失明した人でも演奏してお金を得られる三味線がバカ売れする
  4. 三味線を作るために必要な猫が乱獲される
  5. 乱獲で猫が減るのでネズミが増える
  6. 増えたネズミが桶をかじって、桶がバカ売れする
  7. 結果、桶屋が儲かる

 とまあ、馬鹿げた話として取り上げられるネタではありますが、実はこれ、情報についてとても良く表現している話だと思っています。風が吹くと桶屋が儲かると信じている人は、風が吹く、という物事から、桶屋が儲かる、という知らせを受け取っている訳です。つまり、風が吹くという物事から取り出した、「桶屋が儲かる」という知らせが、情報という訳です。

 ここで1つ、注目すべき点があります。風が吹けば桶屋が儲かると思っていない人が、風が吹く、という物事を見たらどうなるでしょう。当然、そこから「桶屋が儲かる」という知らせを受け取る事はありません。つまり、物事から情報を取り出すためには、数々の経験や知識が詰まった、人の知能(AIも同じ)が必要であり、更に、その知能の性質によって、取り出せる情報が異なってくる、という点です。平たく言えば、物事の受け手によって、取り出せる情報が異なってくる、という事です。

 情報処理界隈では、情報を取り出すために必要となる物事を「データ」と呼びます。よく「データが全て」と言いますが、実の所、このデータからどんな情報を引き出すかが重要であり、データそのものが重要という訳ではない、という事は、風が吹けば桶屋が儲かるの話から察しがつく事実です。たとえ良質なデータが沢山あっても、それを処理する知能がポンコツでは、何の役にも立たない、という訳です。

 

 さて、情報についての理解が深まった所で、再び「IT(情報技術)」について、思いを巡らせてみましょう。

 

大量データを瞬時に処理

 その昔、まだパソコンが無かった頃を想像してみてください。日報は当然、手書き。毎日、何の商品が何個売れ、そして売上は何円となっているのか、そういったデータはすべて、手書きで残されています。そうした中、利益拡大を目指して1つの施策を実行する事としました。欲しがっている人に、欲しがっているモノを確実に届ける、それを徹底追及すること。欲しがっている人にだけ広告が届くようにすれば、広告費を削減できるだけではなく、確実に買ってくれるので、そもそも販管費を大幅に削減でき、売上まで大幅アップ。毎月の資金繰りに心を痛めることもない。夢のような施策です。

 そこで社長は、過去1年間において、どんな商品が、どんな人に売れているのか、という「情報」が欲しくなります。自社の虹色鉛筆が今、地元界隈の小学校高学年の女子でひそかなブームになっているという情報を得られれば、利益増大に向けて効果的な攻め方ができる筈です。そこで社長は社員に指示するでしょう。過去1年の日報を集計して、どんな商品が、どんな人に売れているのかわかる資料を作りなさいと。そして社員は絶望するのです。山のように積みあがった手書きの伝票を前に、一体、何をすればいいのか・・・と。

 それでも、社員は優秀でした。どの顧客に、何を何個売ったのか、電卓をたたいて集計し始めたのです。そして1ヶ月たったある日、社長の前に帳票が差し出されました。縦軸には顧客名、横軸には商品名、それが交差する列には1年で販売した数量が記されている。社員はやり切ったのです。しかし、それは、社長が満足するものではありませんでした。顧客名を見たところで、それがどんな顧客なのか、イメージできないのです。それは何歳なのか、どこに住んでいるのか、どんな趣味嗜好を持っている人なのか。購入したのは平日なのか、午前中なのか午後なのか・・・。良質な情報を得るためにもっと、もっと、データが欲しい・・・。きっと、そう考えた筈です。ですが、こうした欲求を満たすためには、社員に壮絶な労働を強いる事となるでしょう。

 

 さて現代に戻ると・・・。売上データと顧客データをExcelに取り込んで、様々な顧客属性でフィルタをかけてグラフ化して傾向を分析する・・・、なんて事は誰でもできるようになりました。これこそ、IT(情報技術)の成せる技なのです。人間の頭に収まり切れない膨大なデータを瞬時に処理できるようにした技術こそ、ITの神髄だと言えるでしょう。

 このように、大量のデータから、必要な情報を素早く取り出せるようになったのは、ITがもたらした恩恵の一つですが、全てではありません。コンピュータがインターネットにつながるようになると、大量データ処理に加えて、「コミュニケーション」という重大な要素が加わるようになりました。これにより、ITではなく、ICT(Information and Communication Technology) 情報通信技術という言葉が用いられる事も多くなっています。次回は、この「ITによるコミュニケーション」にフォーカスを当てていこうと思います。

 

ここで、結論。

 ITとは、

  大量のデータを瞬時に処理し、

   情報を引き出す事を助けるための技術である。

 

 如何でしたでしょうか。

 もやっとしていたITについて、少しでも分かった気になって頂けたでしょうか。

 

 これから、このような形でITネタを発信していきますので、ご愛顧のほど、よろしくお願い致します。